2012年07月12日

夕方の電話

夕方にかかる電話はろくなことがありません。

長男のび太が小学校3年生の一年間は、夕方の電話に怯えていました。

担任の先生が、定年間近の超のつくベテランの女性で、本当に何事もきっちりとした方でした。

5月の家庭訪問で開口一番「こんな子は初めてです」と驚いておられたのは、のび太への指示の入らなさ、提出物についてだったと思います。

以来、「今日は○○が出ていません」「リコーダーの課題がたまっています」と毎日のように夕方に電話がかかってきました。

当時、のび太の発達障害に思いいたっていなかった私は、それはひどくのび太を叱りました。

提出物を出すことは、私も教師時代「その気になればできるはずのこと。提出物が出せないのは、やる気のなさの表れだし、誠意を疑う」と厳しく指導してきました。(当時クラスにいたADDだったかもしれない子には、申し訳ないことをしました。)

それだけに、自分の息子がそれを全くせず、その失敗を一度ならず何度も繰り返し、お忙しい先生に何度もお手数をかけている、と申し訳ないやら、でも一方でその電話の多さに疲れ果てていました。半ばノイローゼに近い状況にも陥りました。

結局、短期記憶が7歳止まりののび太には、提出物の問題をクリアすることはできませんでした。

いや、昨年の検査で7歳だったということは、小3当時の短期記憶は幼児レベルだったのでしょう。

今から思うと、本当にかわいそうなことをしました。

でも、その先生以外の先生には、特に忘れもので指摘は受けなかったのです。
リコーダーの課題は毎回たまっていましたが、これも今思うと動作の点で脳と指の連動がうまくいかなかったのでしょう。家で何度も長時間ついて練習させましたが、その指の動かなさに唖然としたものです。

中学では、さすがにもう担任や教科担当から「提出物が出ていません」などと電話をいただくことはなくなりました。

これはもちろん、のび太が「課題を出せるようになったから」ではなく、中学の先生はそんなことはなさらないからでした。

その代わり、評定値という結果でその実態が伝わってきました。

高校生になって・・・中学時代よりはノートやレポートは少しは出せているようです。

しかし昨夜、久々の「夕方の電話」!

しばらくなかったものですから、てっきりセールスだろうと思っていたら、のび太の担任の先生ですがく〜(落胆した顔)動悸が激しくなりました。

内容は、「『芸術の課題が出ていないためにこのままだと1がついてしまう生徒が1人いる』と担当の先生から報告を受けて、名前を聞いたらのび太くんだった。以前お母さんから特別な支援が必要だとうかがっていたので、その生徒は特別な事情があると言ったら、明日提出してくれたらいい、ということになった。」ということでした。

のび太の障害のこと、担任の先生にお話しておいてよかったです〜もうやだ〜(悲しい顔)

芸術科目の評価のしおりには「ひとつでも課題を出さないと欠点」と明示してあり、これについては早い時期からのび太に繰り返し話してきました。

これは「宿題」などではなく、時間内に仕上げる課題だから、その時間内に必ず課題を提出してくること。

でも、これがのび太らしいのですが、その課題はできていたのに出し忘れてしまった。

「出さなきゃな・・・」と思っているのに「でも今さらヘンか?」「もうこれは締め切り終わっていて受け取ってくれないかも」なんてズルズルやっているうちにすっかり忘れてしまう(短期記憶の問題)か、先生が呆れてしまわれるか。

訊けば「課題はできていて、でも出すきっかけがなくて、毎日持ち歩いていた」と。

この「出来ているのに出せない」というのがのび太のような子の特徴なんだそうです。

同じ職場のカウンセラーの先生に言われました。

提出物も全く無視しているわけじゃない、出した方がいいとはわかっているけれど、プリントのどこかに空欄があったり、失くして出てこないプリントがあって、あるページが空いていたりすると、「これを仕上げないと出せない」と思ってしまう。(ヘンな完ぺき主義)

でも、そこを埋めたり、ないプリントをどうやったら手に入れられるかを全く思いつかず、人に尋ねることもやらず(できず)にズルズル時間が過ぎ去ってしまう。

結果、出せない。

定型発達の子の中にも、提出物を出さない子は経験的に知っています。

でも、その子たちは「提出物?そんなの面倒くさい。僕はテストで点を取るからいいや」とか、自分の中ではっきり割り切っていたり、提出する必要性を感じていないんですよね。

ADDの子たちとはそのあたりが決定的に違います。

そして、先日、のび太はその芸術の先生に呼ばれたのだそうです。
「今回はもう『1』がつくけど、2学期以降頑張れば取り返せるからね」というお話だったとか。

これも毎日その課題を持ち歩いてたんなら(その日も持っていたそうです)「先生、僕今その課題持っているんです。もう遅いかもしれませんが、出していいですか?」なんて言えばいいんですが、のび太の発想は全く違います。

「ああ、もう今回は『1』なんだ。」

「それで、もういいや、と思った」と言います。

別に怒ったり(そもそも怒る話じゃないですが)、居直ったり、拗ねたりしてるわけでもなく、ただ事実をそのまま受け止めるだけ。

「2学期からはちゃんと出そうとは思ってた」

のび太との電話の後、担任の先生が「もういいや!とあきらめてしまっていたみたいですけどね」と言われていましたが、ちょっとニュアンスが違うんですよね。(先生はあきらめとか居直り、という印象を持たれたようでした)

この辺り、解ってはもらえないだろうな。

でも、それが「社会」「世間」。

「誠意の無いやつ」「すぐあきらめるやつ」と受けとめられてしまう。

本人の中にいくらそれなりの葛藤や、本人なりの理由や思考があっても、そんなことは理解されるわけもないし、それを期待する方が間違い。

だからこそ、そこの間を今のうちに埋めておかなきゃ。

とりあえず、のび太は今朝、いつもより2つ前の電車に乗って、朝イチに芸術科の先生の所に課題を持っていったはず・・・です。(ちゃんと謝罪できたかな?)それと、担任の先生にも報告とお礼。

のび太には相当高いハードルですが、帰ってきたらできたかどうか訊いてみますあせあせ(飛び散る汗)


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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posted by みずき at 10:55| Comment(29) | ワーキングメモリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月14日

提出物が出せない

行ってきました、三者面談・・・。

予想以上に悪い結果でした。

オール3にもほど遠い・・・。

そして「2」のついた教科がほとんどいわゆる「主要教科」であること・・・。

決してテストも良くないのび太です(時間配分ができない、文字を読むのも書くのも遅い、該当箇所を見つけるのに手間取る、ケアレスミスが多い、文字の書き間違いが多い、漢字や単語が覚えられない)が、本人もそれなりに努力して平均点はクリアしています。

しかし、ネックになるのが「意欲・関心・態度」の「C]。
教科によれば80点を超えていても、ここが「C」であるために「2」がついています。

何度も担任の先生にはおたずねしていますが、居眠りや私語等は全くない。欠席はゼロ、なのです。

考えられるのは「提出物」のみ。

実際に担任の先生が何度か他教科の先生から「未提出者リスト」を渡され「○○のノート出てない人は・・・」などと言われる中に何度かのび太の名前があったそうです。

のび太に訊くと「呼ばれた時は、ああ・・・と思うけど、すぐに忘れてしまう」

やはりワーキングメモリーの問題なのでしょうね。

もちろん、本人にとっての興味関心のない部分というのも大きい。

それでも、今まで散々な目に遭っているはずなのに・・・

塾の先生も「この点ならうまくいけば4、悪くても3はつくでしょう」と言われていても、「2」がついて、さすがに本人もガックリ・・・というのはこれまで何度も体験してきました。

ADDの子が「成功体験」を得られないのはこのあたりにも原因があります。

結局最終的な評価が「ダメ」と言われてしまったようになる。

テストが返ってきた瞬間は喜べても、数日後の懇談で「やっぱりダメなんだ」と思わざるを得ない結果を受け取ってしまう。

親としても十分に予測はできたことで、かなり提出物のことは声かけしていましたし、チェックしたつもりでした。

ただ、もと教師が言うのもなんですが、少々ばかばかしいほど提出物を重視している中学校だということをもっともっと肝に銘じなければならなかったのです。

のび太の場合、あらゆる提出物が出ていないわけではない。

国語なら「ノート」「ファイル」「問題集」「漢字の問題集」などがありますが、その中の1冊が出ていなかったり、答え合わせができていなかったり、提出が遅れたりするのです。

それで「C」っていうのは私ならしない評価です。

ただ、現実はそういう評価なのですから、当然それに合わせた対策をしなければならなかった。

のび太の症状からすると、これは親の私の対策が甘かったと反省しきりです。


さあ、これからが大変です。

でも、できるだけ本人には暗くならせないよう、先のことだけを話します。


まずは次の提出物である「夏休みの宿題」をしっかりいいものにする。

提出物が出ていないと指摘があった時は、その日のうちにやって出して帰る。(これは担任の先生にもお願いしました)

「実力テスト」が比較的よかったので、「入試の際の点数はまあまあとれると思います」と言われました。8月末にある次の実力テストと私学で参考にされる業者模擬試験にむけて夏休み頑張ってみる。(個人塾の先生にもお願いしておきました)

推薦入試を考えている農業科の体験教室や説明会にはすべて参加する。


本人もさすがに今回の結果はショックだったようで、早速今から次の提出のためのノート作りを始めていますあせあせ(飛び散る汗)

そして、自分でも障がいの深刻さに気付いたのか、「発達診断を受ける」と言い出しました。

診断名が重要とは思いませんが、どの面が障がいによって起こっているのか、どういうアプローチをすればいいのかを考えていく一助にしたいと思っています。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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posted by みずき at 22:55| Comment(2) | ワーキングメモリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月02日

記憶にございません

先日学級通信に「定期考査直後に確認テスト(市教委の作った実力テストのようなもの)をするので、26日にその予習シートを配布しました。入試の際に参考にするので、しっかり準備しておくこと」と書かれていました。

私 「『予習シート』もらったん?」
長男「え?もらってないで」
私 「でも昨日配ったって学級通信に書いてあるよ」
長男「もらってないって。あの先生いいかげんなトコあるから」
私 「でも学級通信にわざわざ書いて下さってるのに」
長男「でも絶対そんなんもらってないで」

とにかく、なんだかんだと大事なものを学校に置いてくるやら、忘れてくるやら、失うやら・・・。
中学生になってから、何度考査前日の夜7時や8時頃にテキストやらプリントファイルを取りに中学校まで車を飛ばしたことかもうやだ〜(悲しい顔)

で、結局この前の3連休前にはその「予習シート」は見つからないまま。
(まあどっちにしろ何もできなかったけど)

「定型発達」の子なら、明けて今日、自分の机の中やロッカーの中を探してみるんだと思いますが、今日帰ってからも結局同じやりとり。

私 「で、結局『予習シート』は?」
長男「もらってない」
私 「いや、それはないと思うよ。あれだけ学級通信に書いてあって、この段階でも配らないなんて   あり得ないよ。」
長男「でも、もらった覚えない」
私 「じゃあ、先生に訊いてみようか?それとも○○君のお母さんに訊いてみる?」

・・・さて、結果は・・・
案の定、学級通信通り、26日に配布されておりました。

長男はその時の「これは進路を決める大事なテストの予習シートだから、この連休中にしっかりやっとけよ」という先生の言葉も全く記憶にないといいます。

長男は、言い逃れのために巧妙に嘘をつくような器用さもありません。
どれだけギリギリで時間がなくても、宿題は解答をもらっていても、うつさず自分でやるような子です。

つまりは、全く「記憶に残っていない」のです。

私もたいがい「ワーキングメモリー」の容量が少なく、メモやタイマーがないと忘れ物をしまくるのですが、これはあまりにもひどい。

これまでにメモを何冊も買っていますが、メモ帳自体をなくしてしまう始末。
特別支援をお願いしようかと真剣に思った母でしたもうやだ〜(悲しい顔)

あ、そうそう。
今朝はなんと間に合ったそうです。奇跡だぴかぴか(新しい)


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posted by みずき at 21:50| Comment(0) | ワーキングメモリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする